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歯牙移植~歯根膜の働き~|兵庫県川西市の歯科「市川歯科医院」

医療において近年のトレンドはiPS細胞など多能性幹細胞を用いた再生療法でしょう。

iPS細胞は神経、心筋、血液など様々な組織や臓器を構成する細胞に分化することができます。しかし、人間の体内で機能するような大きく立体的な臓器ができるまでには至っていません。

それゆえ、臓器の機能不全に陥った場合には他者からの臓器移植が重要な治療方法となっています。

歯科において移植といえば「歯牙移植」が有名です。保険治療でも認められる、古くから確立された治療方法です。

歯牙移植の多くは、むし歯や破折で抜歯せざるを得なくなった奥歯に自身の親知らずを移植します。奥歯を失うと、そこに歯を補うには義歯、ブリッジ、インプラントなどがありますが、隣り合う歯に負担をかけたり治療費が高額になったりとデメリットが発生します。しかし、移植の場合、本来は萌える方向が悪く抜歯後に捨てるしかない親知らずを活かすことができ、隣在歯への負担も少なく、保険適応可能なため治療負担も少ないというメリットがあります。

しかし、歯牙移植はどんな方、どんな歯でも適応可というわけではありません。ドナーとなる親知らずの”歯根膜”が健康な状態で残っていることが移植成功の鍵となります。歯根膜とは歯を歯槽骨(顎の骨)に繋ぎ止めている繊維で、歯槽骨の新生を誘導する働きを持っています。この能力によって、移植歯と歯槽骨の隙間に新たな骨が作られて強固に付着するようになるのです。

それ故に、移植歯の歯根膜を傷つけずに抜歯できることが条件となるため、深く額骨内に埋まってしまっている親知らずは移植のドナーには不適となります。

もし不幸にも奥歯を失ってしまって、親知らずが残っている方は一度移植が可能か検討してみることをオススメ致します。

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