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上顎洞炎の診断における歯科用CTの有効性について|兵庫県川西市の歯科「市川歯科医院」

寒さも徐々に和らいできて、春が近づいてきました。

寒いのが苦手なガリガリの私にとって春の訪れは嬉しい限りですが、この季節を手放しで喜んでいられないのは花粉症の方々ではないでしょうか。

私の周りでも、目のかゆみ、咳・くしゃみ、鼻汁・鼻づまりで苦しそうにされている方が沢山いらっしゃいます。

その中でも、くしゃみや目のかゆみは無いのに、ドロっとした鼻汁が出る、鼻がつまる、頬の辺りに圧迫感・違和感がある、などの症状が2〜3ヶ月続く場合は花粉症などのアレルギー性鼻炎ではなく、慢性副鼻腔炎にかかっている可能性があるので要注意です。

その副鼻腔炎の原因に歯が関係していることがしばしばあることをご存知でしょうか。

副鼻腔炎とは鼻の副鼻腔に炎症が起こる病気で、蓄のう症というと馴染み深いかもしれません。

副鼻腔とは鼻につながる四つの空洞(前頭洞・篩骨洞・上顎洞・蝶形骨洞)のことです。

上の奥歯の虫歯が、副鼻腔の一つである上顎洞(目の下あたりに一対ある空洞)に炎症を起こします。

上の奥歯の根の先は上顎洞に近接していることが多く、虫歯が進行し、お口の細菌が根の中に侵入すると、上顎骨を溶かし上顎洞内に感染を起こしてしまいます。

症状としては鼻からの感染と判別がつきにくく、耳鼻科を受診される方も多いですが、歯からの感染が原因の場合は原因歯の根の消毒や抜歯を行わなければ改善しません。

上顎洞炎に歯が原因となっていないか?原因となっていればその歯はどの歯か?を判別するのに歯科用CTの撮影が大変効果的です。

歯科医院で撮影する一般的なレントゲン写真は2次元画像なので、歯の根と上顎洞の正確な位置関係を把握することは困難です。

一方、CT画像は3次元画像なので、上の奥歯の複数本ある根のうち、どの根が感染ルートなのかまで診断可能となりました。

当院ではCT画像撮影装置を導入しており、歯による上顎洞炎の治療に役立てております。

耳鼻科で治療を受けたけれど、なかなか症状が改善せず、CT撮影と適切な患歯の治療によって完治できたケースも多く、歯科用CTの有効性を実感しています。

X線の被曝量は通常のレントゲン写真よりも多く、安易な撮影は慎まなければなりませんが、CT画像から得られる有益な情報をより正確な診断・治療に活かしていきたいと考えています。

川西市の歯科医院 市川歯科医院
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