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歯科治療における「ほめる」ことの大切さ|兵庫県川西市の歯科「市川歯科医院」

2018.05.18

歯科治療における「ほめる」ことの大切さ|兵庫県川西市の歯科「市川歯科医院」

患者さんの歯科治療をモチベーションを高めるためには?

患者さんの治療に対するモチベーション(動機)を高めることは、歯科治療を進めるために非常に重要なことです。

患者さんの多くは「歯が痛い」「噛めない」といった症状が出て、初めて治療をうけに来られます。
そして、その歯の治療が終わって痛みが無くなったり噛めるようになれば、「歯が治った」と考え、痛くなったり噛めなくなった原因を改善することなく終わってしまいます。

例えば、代表的な歯の痛みの原因である「むし歯」の場合、その原因はプラークコントロールが不十分であったり、間食が不規則で糖の摂取頻度が高いなどが挙げられます。

こうした原因を改善しなければ、治療終了後もむし歯の短期間での再発と再治療の繰り返しとなり、負の治療スパイラルに陥ってしまいます。

すなわち、『患者さんによる治療に至った原因の理解とその改善努力』と『歯科医師の適切な治療』の2つが合わさらないと長期的に良好な治療結果は得られないということです。

TBIで意識すること

治療に至った原因を理解し、改善して頂くために重要なアプローチの一つにTBIがあります。
TBIは「トゥース・ブラッシング・インストラクション」の略で、歯磨き指導のことです。
このTBIで私が意識していることは「ほめる」ことです。

患者さんにプラークコントロールが上手くなってほしいと思って指導に熱が入ってくると、ついつい磨けていないところばかりに目が行きます。
そこで「ここが磨けていませんよ」と否定的な指摘ばかりするよりも、少しでも良くなった点に着目してほめた後に改善点を指摘するほうが患者さんに受け入れて頂きやすいと感じています。
歯ブラシが上手く使えてくると、患者さんから自発的にどのように磨くとより効果的なのかや、フロスや歯間ブラシなどの補助的清掃器具の使用方法も聞いてくるようになります。

先日読んだ著書『今どきの大人を動かす「ほめ方」のコツ29』(吉田たかよし著)によると、

「脳の中にはA10神経と呼ばれる重要な神経があります。この神経はほめられることで刺激を受け、ドーパミンという快感ホルモンを増やします。

すると、気分がワクワクして血流や代謝が上がり、目の輝きが増し、強い幸福感に包まれます。」とあります。

褒めることでより頑張ることができる

つまり「ほめられる」ことは高揚感とやる気を引き出す、大きな「報酬」となります。

脳はこの報酬を得るために、そのきっかけとなった動作を繰り返し行うようになります。

「ほめられる」→「嬉しい」→「もっと頑張る」というサイクルを活かすことができれば、楽しくない・めんどくさい日々のプラークコントロールが向上できるのではないかと思います。

もちろん、人を適切にほめるためには、相手を観察して成長した点や賞賛に値する点を的確にとらえ、ふさわしいタイミングでふさわしい言葉を投げかけることが大切です。
そのためにも、患者さんのライフスタイルや家庭環境にも注意を払い、コミュニケーションを深めていかなければなりません。
先輩ドクターの「口をみるより、まず人をみよう」という言葉が思い出されます。

 

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