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白くて固い材料『ジルコニア』の有用性について|兵庫県川西市の歯科「市川歯科医院」

保険治療でも白い被せ物ができる!?

どの時代でも白い歯が好まれることは言うまでもありません。
ところが、歯科医師も患者さんも金属をお口に入れることが当たり前のことのようになってしまっています。
ひと昔前までは、保険治療の範囲で第一大臼歯(前から6番目の歯)を修復する場合、金属を用いるしか選択肢がありませんでした。

しかし、CAD/CAM技術(コンピュータを利用し被せ物の設計・作成をする技法)の進歩と、審美歯冠補綴材料の開発・発展に伴い、
保険治療でも第一大臼歯に白い被せ物が適応可能となりました。
残存する歯数などの条件をクリアすれば、保険治療でも前から6番目までメタルフリーの白い歯にできるため、審美面では患者さんにとって大きなメリットがあります。
一方、使用している材料がレジン(プラスチック)なので金属に比べて強度が劣り、割れやすいといったデメリットがあります。
実際、患者さんに金属よりも強度が劣るデメリットを伝えても、白い歯が入るメリットを重視してレジンCAD/CAM冠を選択される方が
圧倒的に多いというのが実感です。
被せが割れるということが、その歯にどのような悪影響を及ぼすかを伝えきれていないこともあるのかもしれませんが、それほど白い歯が求められているということでしょう。
審美面と強度面のジレンマを抱えながら提供せざるを得ないのが現状です。

白くて硬いジルコニア

では、白くて強度も兼ね備えた被せ物はないのでしょうか。
古くから審美性・生体親和性の高さから、様々な組成のセラミックが歯冠の修復に用いられてきました。
セラミックはレジンに比べると透明性が高いため、審美性が優れ、かつ強度も高いのが特徴です。
ただし、セラミックの作製は手作業での精密な作製工程が必要となるため保険適応外であったり、強度が高いとはいえ破折するリスクは抱えています。

そんな中、近年どんどん普及してきているのが『ジルコニア』です。

硬さの点において、ジルコニアは1200HV以上(ビッカース硬度という硬さの単位)であり、歯のエナメル質(約400HV)やその他の歯冠補綴用セラミックス(約500~600HV)と比較してもはるかに硬いことがわかります。
ジルコニアは硬すぎるが故に精密な加工が難しかったのですが、CAD/CAM技術の進歩によって歯冠補綴材料として利用可能となりました。
残念ながら保険適応外ではありますが、セラミック歯冠修復物よりも製作コストが安価な点もメリットとなるでしょう。
金属の価格も年々高騰しているのが現状で、ジルコニアの研究が進み、保険治療で提供できるような時代がくるかもしれません。
ジルコニアは今後も要注目の材料です。

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