歯科ブログ

マウスピース矯正について

2020.04.26

以前の記事で、歯ぎしり・くいしばりに対して用いるマウスピース(ナイトガード)について取り上げました。
今回は同じマウスピースでも、矯正治療に用いるマウスピースついてお伝えします。

以前は矯正といえばワイヤーを用いた手法が一般的でしたが、最近ではマウスピースを用いた矯正が増えてきました。
マウスピース矯正のメリットは以下の点が挙げられます。
・矯正装置が、透明なマウスピースと歯と同系色のレジン(歯科用プラスチック)を用いるため目立ちにくい
・ご自身で取り外せるため、口腔清掃がしやすい
・食事中は装置を外せるため、食事の制限が少ない
・ワイヤー矯正に比べて装置の脱離等のトラブルが少ない

私は学生時代にワイヤーを用いた矯正治療を受けましたが、口腔清掃の難しさを実感していたので、
清掃のしやすさは大きなメリットではないかと思います。
ワイヤーですと、ブラケット(ワイヤーを通すために歯に取り付ける装置)の周りや、歯と歯茎の際に歯ブラシが当てにくく、ブラケット周りの虫歯や歯肉炎を起こしやすくなってしまいます。
また、フロスもワイヤーが邪魔して通しにくく、隣接面の虫歯のリスクが高まります。
ようやく矯正治療が終わって装置を外したら虫歯になっていて、また治療、、、なんてこともよくあります。
一方、マウスピースなら外せば歯ブラシもフロスも今まで通り使えるので、虫歯や歯周病のリスクは低く抑えられるでしょう。

また、食事の制限が少ないのも優れた点でしょう。
ワイヤー矯正ですと、だいたい月に一度のペースでワイヤーを交換して歯を動かしていくのですが、ワイヤー交換して数日は歯に比較的強い力がかかるので、痛みが出て固いものが噛みにくくなる事があります。
マウスピース矯正では、10日前後で新しいマウスピースにご自身で交換して頂くのですが、その都度の痛みがワイヤー矯正に比べて少ないとされています。
患者さんに伺う中でも、痛みに関しては訴えられることは少ないと言えます。
ただし、歯の動きにによっては一部の歯だけが早期に接触することがあり、そうした期間は噛みにくくなって食事に制限が出る場合もあります。

余談ですが、私はワイヤー矯正を始めた初日にオムレツを食べて、ミンチが装置に異常に詰まってショックを受けたことをよく覚えています。
1ヶ月もすれば慣れてきて、何も気にせず食事していましたが、外食時など、見た目を気にされる方はマウスピースの方が審美面でも食事制限が少ないと言えるでしょう。

逆に、ご自身で装置を外せる事がマウスピース矯正のデメリットにもなり得ます。
マウスピース矯正は食事の時間以外、すなわち一日22時間以上は装着していなければ適正に作用せず、一日着けなければマウスピース一枚分(10日交換なら10日分)治療の進捗が後戻りするともいわれています。
ワイヤーであれば術者主導である程度コントロールできますが、マウスピース矯正では患者さんご自身の協力がないと良い結果が得られません。

マウスピース矯正は、装置取り付け等の手技の簡便さから一般歯科医でも取り扱うケースが増えています。
しかし、マウスピース矯正も従来のワイヤー矯正と変わらず、診査・診断・治療計画の立案がもっとも大切です。
そこを誤るとプラン通りに治療が進まず、トラブルへと繋がります。
マウスピース矯正とワイヤー矯正のそれぞれの良さがありますし、患者さん個々人の要望とお口の状況をふまえて、適切な治療プランをご提案したいと考えております。

当院では、矯正治療を専門とするドクターと協力して矯正治療を行なっております。
マウスピース矯正を進める中で、より効率的に、かつ患者さんの負担を軽減できるようiTero(アイテロ)を取り入れています。
iTeroとは、マウスピース矯正で歯の型取りを行う時に使用する口腔内スキャナーで、従来の型取りのような息苦しさを軽減し、スムーズに歯の型取りを終えて頂くことができます。

毎月の日曜日1回と木曜日1回ではありますが、矯正歯科医による無料相談も実施しております。
歯並びのことで気になられている方がいらっしゃいましたら、市川歯科医院までお気軽にご相談ください。

川西市の歯科医院 市川歯科医院
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