私は結婚以前に、大学病院で歯科研修医として1年間勤務し、その後歯科医師として4年間、歯科医院で勤務していました。
現在は1歳の子供の育児をしています。
私の知り合いに、ニュージーランド出身の方がいます。会話の中でも歯についての話題がよく登場します。
赤ちゃんの歯が生えてくる前は、赤ちゃんの機嫌の悪い日が結構続いたりしますよね。口の中を見て歯が生えてきそうなところを見つけると、「あぁ、これが原因だったのか・・・」と思うこともしばしば。その方の母国では、赤ちゃんの歯が生えてくる部位にお薬を塗って、歯が生える前のムズムズする違和感を抑えてあげるそうです。(しかし子供には本来使用しないお薬のようなので、決して真似してはいけません。)また、日本でいうところの歯固めに、ラスクを食べさせてあげるのだとか。外国の方との会話はいつも驚きの連続です。異文化を知るというのはとっても面白いですね。
- ① お口のマッサージ: 歯が生える前の時期からできる歯磨きの練習です。赤ちゃんはお口におっぱい以外のものが入ってくるのを嫌がることがあります。離乳食を始めようとしたら、スプーンを嫌がったというのもこれです。お口の中に物を入れること、歯ブラシをお口の中に入れるということに慣れる(脱感作)ため、お風呂でリラックスしているようなときに、口の中から頬や歯茎を指でこちょこちょとマッサージしてあげます。ちょっとしたスキンシップとして気軽に始めることができます。歯が生えてきてからも、歯磨きをする前に指でマッサージしてあげています。 マッサージをしながら、歯の生えてきそうな部分や歯の汚れを観察しています。 歯を磨くこと自体も重要ですが、お口の中をよく観察してあげることはより重要だと思います。
- ② 歯磨き:
歯が生えてきたら歯磨きをする必要が出てきます。 しかし仰向けになるのが嫌だったり、動きたいのに動けないので娘は泣きます。 歯磨きが嫌いになったら嫌だな、泣かせるのがとっても心苦しいという思いもあります。しかしシャンプーしたり顔を洗うにも嫌がって泣く娘、「毎日顔を洗ったりシャンプーするのと一緒だ」と自分に言い聞かせ、毎日歯磨きをしています。
歯磨きのポイントは上唇小帯という、上唇の真ん中から歯茎に伸びるひだに歯ブラシが当たらないように注意してあげることです。 ここに歯ブラシが当たると歯磨きは痛いものだと赤ちゃんが認識してお口をあけてくれないなんてことに繋がってしまします。 具体的には歯ブラシを持っている反対の手指で、上唇小帯を優しく押さえてあげます。転んだ時に顔を打って上唇小帯が切れる子供さんが多いですが、歯の根元までまだしっかり残っている場合には特に歯ブラシが当たらないように注意です。
奥歯が生えてくる前の赤ちゃんの一番むし歯になりやすいところは上の前歯の歯と歯茎の境目なので、そこを中心に磨いてあげます。また歯と歯の間もフロスを通してあげます。
ついつい頑張って磨かなくては!と真剣な表情になりがちですが、赤ちゃんを上から真剣に覗き込むママの表情って赤ちゃんには怖いですよね。なるべく笑顔を心掛けています。また、息継ぎができるように数を数えたり、歌を歌って休憩を入れてあげる、あとはお口の中で何をしているのかわからない漠然とした恐怖もありますから、鏡を見せてあげるのも1つの方法です。
お口のケアは毎日のことなので、ママの気が少し楽になるような、ちょっとでも取り入れてみようかなと思う情報になってくれたら嬉しいです。
(市川陽子)
川西市の歯科医院 市川歯科医院
〒666-0033 兵庫県川西市栄町15-9
TEL:072-757-8822
月~土 9:00-12:30 14:30-19:30
※水曜日、土曜日は午前の部まで