歯科ブログ

歯科衛生士について

2020.09.27

今回は、歯科治療で重要な役割を担っている『歯科衛生士』についてお伝えしたいと思います。
歯科衛生士は、歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図ることを目的として、人々の歯・口腔の健康づくりをサポートする国家資格の専門職です。
歯科医院では多くの女性スタッフが働いていますが、患者さんの中では歯科衛生士と歯科助手の違いをご存知ではない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
『歯科助手』は国家資格は必要とせず、主に歯科診療補助、受付業務、院内の衛生管理などを行います。
最近ではTC(トリートメント・コーディネーター)として、カウンセリングを行うなどして患者さんがスムーズに治療を受けられるようにサポートすることもあります。
患者さんが安心して治療を行える環境を整備する上で、非常に重要な役割を担ってくれています。
当院では、ピンク色の制服を着ているのスタッフが歯科衛生士で、水色の制服を着ているスタッフが歯科助手です。

歯科衛生士の仕事の内容は、次の3つの業務が法律に定められています。
⒈歯科予防処置
⒉歯科診療補助
⒊歯科保健指導

⒈歯科予防処置
歯を失う原因の90%が「歯周病」と「虫歯」です。
この2つの疾患は生活習慣病であり、国民の多くが罹患しています。
歯周病と虫歯を予防することができれば、一生自分の歯を失わずにすむ可能性が高くなるわけです。
予防処置として、疾患の原因となる歯垢や歯石など、口腔内の汚れを専門的に除去する「スケーリング・ルートプレーニング(SRP)」「機械的歯面清掃」などの医療技術があります。
歯科衛生士は、このような歯科予防処置の専門家です。
もちろん歯科医師もSRPや機械的歯面清掃を行えますが、歯科衛生士のほうが熟練していて上手な方が沢山いらっしゃいます。
私も以前、歯周病治療に関するセミナーで、SRPの手技について歯科衛生士の先生に教えて頂きました。

⒉歯科診療補助
歯科診療は、歯科医師・歯科衛生士・歯科助手による「チーム医療」として行われています。
その中で、歯科衛生士は歯科医師の診療を補助するとともに、歯科医師の指示を受けて歯科治療の一部を担当するなど、歯科医師と協力して患者さんの診療にあたります。
特に、歯周病治療において歯科衛生士にアシスタントについてもらうことが大切です。
歯周病治療では、歯肉の炎症を減らすために、まず初期治療として歯科衛生士が中心となってSRPを行います。
それだけでは良好な歯周環境が得られないケースでは、必要に応じて外科処置を行います。
この外科処置で歯肉を切開して歯根を露出させるのですが、この時、SRPで取り切れなかった歯石や溶けてしまった歯槽骨の形態を直に確認することができます。
こうした臨床経験の蓄積により、より精度の高い初期治療が行えるようにもなりますし、外科処置後のメインテナンスで注意するポイントがより明確になります。
インプラント治療においても同様で、診療補助につくことにより、インプラントが実際にどのように埋入されて、どのように被せ物が取り付けられるのかを直に把握でき、その後のメインテナンスの重要性や清掃時に注意するポイントが歯科医師と共有できます。

⒊歯科保健指導
先程も述べましたが、歯周病や虫歯は生活習慣病です。
そのため、治療よりも予防、さらに、患者さん自らが生活習慣を改善することが一番大切です。
そこで、正しい生活習慣やセルフケアを実行するための専門的な支援(指導)が不可欠となります。
歯科衛生士は、患者さん一人一人のお口の環境に適した清掃方法や、お口の健康にとってより良い生活習慣について指導します。
また、寝たきりの方や要介護者等に対する訪問口腔ケアも重視されています。
さらに、食べ物の食べ方や噛み方を通した食育支援、高齢者や要介護者の咀嚼や飲み込み力を強くする摂食・嚥下機能訓練も新たな歯科保健指導の分野として注目されています。

歯科治療はチーム医療と述べました。
歯科医師だけでは、患者さんを良好な結果に導けません。
私も歯科衛生士の専門性を活かし、歯科衛生士と協力して、より質の高い歯周治療を提供したいという展望があります。

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市川雄一

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